Jastin Kimani

 ケニアの友人がまた一人亡くなった。Jastin Kimani 享年40才くらいだろうか。タクシードライバーだったんだけど、けっこう気があって、遠出する時はいつも彼と一緒に出かけたものだった。マチャコスには何度も、一緒に行ったな。バスケットを探しに行ったり、日本に招待したことのあるカンバ族の職人さんの家へも、一緒に出かけて、まるで関係者のような顔で招待にあずかったものだ。

 顔つきや目つきが粗暴な感じがして、一見するととても凶暴そうに見えるんだけど、実際は思いやりとユーモアがあるいい男だったんだ。でもその一見した凶暴さは、実際のところ単なる見せかけじゃなくって、ほんとうに凶暴な一面もあった。運転席の脇に鉄パイプとビニールテープを巻き付けたバールを隠し持っていて、これは何に使うのか聴いたら、暴漢に襲われた時の反撃用だと即座に答えたのには驚いた。戦うタクシードライバーだったんだな。だけど家族思いで、奥さんに土産を買っていったり、子供の自慢話をよくしてくれた。好戦的だけど家族思いなんてちょっと絵になるなあと感心したものだった。

 なんだって早死にしちゃたんだ?腹痛を訴えて、病院に行って3日後には死んでしまったんだと。なんだよそれ?クリスマスが来る直前のことだったんだって。家族思いの彼は、きっと七面鳥だってしこたま仕入れていただろうに、それを家族で平らげる前に死んじゃったわけだ。子供や奥さんは悲しんだろうな。かわいそうに。好戦的で家族思いな奴にしては、ひどい失態だよな。自分を守ることが一番の家族への贈り物なのはよくわかっていただろうに。

 アフリカにいると、よく知り合いの死に出くわす。日本の数倍の多さじゃないかと思う。だからといって、知り合いを亡くした時に、辛さが少ないわけでもない。Kimaniの死を聞かされて、驚きと悲しさにまみれて呆然とたたずんでいた時、そばで一緒に話を聞いていたケニア人の相棒に、お前死ぬなよって言ったら、おれは100までは元気に生きるから心配しなくて良いって言ってくれて、なにか嬉しかった。

 日本の過剰医療はまた問題な気がするけど、でもアフリカの貧困な医療は大いに問題だと思う。よくはわからないけど、Kimaniが発病した時にもし日本にいたなら、きっと死ぬようなことはなかったんじゃないかと思う。でもケニアの医療機関はKimaniを救えなかった。そしてあっという間に死んでしまったことに誰も不信感を抱かない。天命だとみんなが思っている節がある。こんなことでいいのかなあ。みんなが良いと思っているなら良いんじゃないかという気もするけど・・
 ねがわくば今残っているアフリカの友人達よ、命はもっと大切にしてください。みんな100までは元気に生き抜いてください。ジジイになっても、オレは君らのところを訪れるから、一緒に馬鹿話をして盛り上がろうぜ。

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