チョコラ

今日はチョコラという映画を観てきました。ケニアのストリートチルドレンを延々とカメラで追い続けただけの映画なのですが、被写体の子供達は、訓練された俳優というわけでもないのに、カメラをまるで空気のように感じているかのように、ほんとうに自然な表情や仕草をさらけているのが不思議な映画でした。

この映画、別によく訪問するケニアが出ているから見に行こうと思ったわけではなくて、たまたまある知り合いに、ナイロビの在留邦人情報を聞いていたら、NGO関係でずっとケニアにおられる共通の知人の話になって、なんとその人が映画に出ているんだというのを知って、こりゃ見に行かなければという話になったのです。

監督は小林茂さんという方で、新潟水俣病の話や、学童保育、障害者施設などの話をドキュメンタリー風に撮ってこられた経歴があるようですが、このチョコラという映画は、かなり深刻なケニアの貧困層の子供達をターゲットにしていながら、そこで何かの社会的な判断をしたり、問題解決にむけたテーゼを表現しようという意図はまったく放棄してしまって、淡々と子供達を子供達の視点のまま映像にしたというのが凄いところでした。
僕などはケニアのチョコラ達と言えば、強盗団の次に警戒しなくちゃいけないかと反射的に思ってしまうほど、痛い思いをさせられてきたのですが、この映画ではその彼らの中に入って、仲間同士の助け合いや、みょうに統制の取れた小社会をあぶり出すのに成功しています。(まあ、かといって僕自身が彼らによってひったくり被害者にされそうになったり、しつこくつきまとわれてかなり迷惑な思いをしたのを許す気分にまではなれませんでしたけどね)
ケニアでも、チョコラの問題はほんとうに深刻で、その底辺にあるすさまじい貧困問題と、崩壊してしまった昔ながらのアフリカ社会のことを抜きにして語ることは出来ません。シンナーを吸いながらフラフラ歩いている子供達を僕も何度も目にしたことはあるんだけど、その周りにいるケニアの大人達が意外と無関心で、この子供達のことを彼らはどう思っているのかということの方が重大問題に思えたのでした。

この映画、ほんとうに淡々と情景だけが進んでいく映画なので、ドラマを期待して観に行くと呆然としてしまうかもしれませんが、子供が好きな人には何か感じるものがあるかもしれません。そして崩壊しつつあるアフリカ的コミュニティーの生々しい現状を見るにはうってつけの映画だと思います。

最後に、ポスト主人公的に出ている僕の知人の活躍が、もう10数年前にナイロビに来たての彼女を知っている者としては、その人知れず黙々とこなしてきた努力がそれを支えてきたのだろうと容易に想像できて、いやぁ月日の経つのは早いものだと感心してみたり、彼女にひきかえ相も変わらず小さな商売でてんてこ舞いをしている自分の体たらくぶりを引き合いにだしてみて、すこし複雑なところもありましたけどね。

映画サイトはこちら
http://www.chokora.jp/

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